もし、息子が突然逮捕された場合、家族は面会することができるのでしょうか。刑事事件問題で弁護士へ依頼した場合にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
目次
息子が逮捕されたとき母親・父親は何ができるのか
子どもが逮捕されたときに親ができること
子どもが逮捕されたときに親が考えることは、第一に早期に身柄を解放してあげたい、あるいは少しでも処分を軽くしてあげたいということでしょう。また、本人から真相を聞きたいとか、留置場で困っていることがないかということも気になるでしょう。
そこで、子どもが逮捕されたときに親ができることとしては、
- ・勾留を阻止するための活動
- ・被害者との示談交渉
- ・子どもとの面会
- ・子どもへの差し入れ
などが考えられます。
勾留を阻止するための動き
勾留が認められると最低10日間は出てこれない
警察は、逮捕した被疑者を48時間以内に検察に送致し、検察は、被疑者の身柄を拘束する必要があると判断した場合には、24時間以内に裁判所に勾留請求をします。
裁判所が勾留を認めると、親告罪で示談が成立して告訴が取り下げられるなど例外的な場合を除いて最低10日間、身柄拘束を受けます。また、捜査の進展によっては、さらに最大10日間、勾留が延長される可能性があります。
ですから、親としては、まず子どもが勾留されないように活動することになります。
弁護士が検察と交渉した方がいい
とはいえ、勾留を阻止するための活動と言われても、具体的にどうすればいいかわからないという方が多いでしょう。
軽微な犯罪で、本人が事実を認めている場合には、積極的に動かなくても検察側で身柄拘束の必要なしと判断し、勾留請求をしないこともあります。しかし、検察の判断を予測するのは必ずしも簡単ではありませんので、弁護士に依頼し、弁護士に勾留請求をしないよう検察官と交渉してもらうほうが、リスクが少ないといえるでしょう。
検察が勾留請求したら、勾留するか否かは裁判官が判断する
検察官の勾留請求を認めるか否かは、裁判官が決定します。
ですから、交渉したにもかかわらず検察官が勾留請求をしたとしても、あきらめてはいけません。弁護士に依頼をすれば、裁判官が決定を出す前に、勾留をしないよう裁判官と交渉することができます。
子どもが逮捕された場合には、親の上申書や身元引受書を作成して、子どもを監督し、捜査機関からの呼び出しがあれば出頭させること、事件関係者に接触させないことなどを誓約します。弁護士に依頼をすれば、これらの書類の文面は弁護士が作成してくれます。
示談交渉の準備
被害者との示談交渉は弁護士へ依頼する
被害者の中には、加害者や加害者の家族には住所や連絡先などを知られたくないと考える方も多く、弁護士がいないとそもそも交渉に入れないということも珍しくありません。また、仮に交渉には応じてもらえるとしても、示談交渉自体は民事の問題で警察や検察は介入しないので、親が被害者側と直接交渉することになるのですが、知識も経験も少ない親が十分な交渉ができるとは限りません。
ですから、被害者との示談交渉は弁護士に依頼をすべきです。
弁護士に依頼をした場合には、弁護士が検察庁に示談交渉の意向があることを伝え、検察庁から被害者にそのことを伝え、被害者が交渉に応じる意思があるかを確認する、というのが一般的な流れです。
家族が示談金の用意をする必要がある
示談金は家族が用意しなければなりません。被害者は、将来の支払いの約束や分割の約束では本当に支払ってもらえるのかと不安になりますので、そのような約束ではなかなか示談に応じてもらえません。ですから、示談金は原則として一括で支払う必要があります。
示談金の金額は、事案の軽重、被害者の被害感情の強さ、家族の支払い能力など様々な要素によって事案ごとに決まるものですので、いくらが相場ということは一概には言えません。
息子との面会について
逮捕直後は、家族であっても面会することができない
逮捕されてから勾留決定が出るまでの間、あるいは勾留の必要がないとして釈放されるまでの間は、親であっても子どもと面会することはできません。警察が検察庁に送致するまで最大48時間、そこから検察庁が勾留請求するまで最大24時間、つまり最大で約3日間は面会ができないということになります。
弁護士なら逮捕直後でも面会することができる
弁護士であれば、逮捕直後の段階でも、子どもと面会することができます。また、弁護士は、家族の場合と違って警察の立会なしで面会ができますから、事件の真相やプライバシーにかかわることなど突っ込んだ話をすることができます。ですから、子どもが逮捕された場合には、急いで弁護士に相談をするといいでしょう。
勾留決定後の面会
勾留決定が出た後は、原則として面会が可能になります。ただし、事案によっては(嫌疑を否認している場合など)、裁判所が弁護人以外との面会や文書のやりとりを制限する接見禁止決定を出すことがあります。この場合には、家族であっても面会はできなくなります。
弁護士による接見禁止解除の申し立て
接見禁止決定には、一部解除という制度があります。親など一部の者だけ例外的に接見禁止を解除し、面会や文書のやり取りを認めるというものです。
弁護士がついていれば、裁判所に一部解除の申し立てをし、一部解除の必要性や一部解除を認めても証拠隠滅などの弊害がないことなどを主張し、裁判所と交渉してもらえます。
差し入れ
差し入れができるものは、
- ・現金(日用品の購入などに必要)
- ・服(ひも、ファスナー、フードなどがついていないもの)
- ・下着
- ・書籍(本、雑誌など)
です。
また、手紙のやり取りも可能ですが、内容は担当の警察官により確認されています。
まとめ
以上のように、子どもが逮捕された場合、親ができること、しなければならないことはありますが、親であってもできないこと、弁護士でなければできないことも数多くあります。早期に弁護士に依頼をすれば、早期の身柄解放につながる可能性があるだけでなく、被害者との示談交渉や、取り調べにあたって注意が必要なことを本人に助言するなど、さまざまなメリットがあります。万一子どもが逮捕されてしまった場合には、一刻も早く弁護士に相談をするといいでしょう。