もし身内や家族が未成年・児童買春で逮捕された場合は、どうなるのでしょうか。生活への影響や処罰・刑について詳しくみていきましょう。

児童買春とは?

児童買春とは、

  • ①児童(18歳未満の者)
  • ②児童に対する性交等の周旋をした者
  • ③児童の保護者(親権者または未成年後見人で、現に児童を監護する者)または児童を支配下に置いている者

のいずれかに対して、金銭などの対償を与えたり、対償を与える約束をしたりして、児童と性交等をすることをいいます。

性交等とは、性交(性行為)だけでなく、性交類似行為(口淫行為や同性愛行為など)や、自己の性的好奇心を満たす目的で児童の性器等(性器、肛門、乳首)を触ったり、児童に自分の性器等を触らせたりすることを含みます。

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児童買春の刑罰はどれくらいなの?

児童買春をした者は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金に処すると定められています。

13歳未満の児童買春はさらに刑が重くなるのか

13歳未満の児童に対し児童買春をした場合、合意があったとしても強制わいせつ罪(わいせつな行為にとどまる場合)または強姦罪(姦淫行為があった場合)が成立します。強制わいせつ罪は6月以上10年以下の懲役、強姦罪は3年以上20年以下の懲役に処せられます。

再犯の児童買春の場合

児童買春をした場合、初犯で事実関係を認めているときは、略式命令という簡易な手続で罰金刑に処せられることが多いのですが、何度も児童買春を繰り返すと、略式命令ではなく正式な裁判を受けることになり、罰金でなく懲役刑を選択される可能性もあります。

児童買春で逮捕された場合の流れ

警察に逮捕された場合、48時間以内に検察庁に送致され、それから24時間以内に検察官が釈放するか勾留請求をするかを決めることになっています。

検察官が勾留請求をし、裁判所がこれを認めた場合、最大で20日間、身柄拘束が続く可能性があります。

児童買春で家族が逮捕されたら身内は面会できるの?

被疑者(犯罪の嫌疑をかけられた者)はいつでも弁護人を選任できるので、逮捕直後でも弁護士を呼ぶことができ、弁護士と面会して様々なアドバイスを受けることができます。

これに対し、逮捕から勾留までの間、弁護士以外の者との面会や文書のやり取りは認められません。

18未満と知らずに売春した場合も逮捕されるの?

刑罰法規は、過失犯を処罰する規定がある場合を除いて、故意(罪を犯す意思)がない行為は罰しないこととされています。上記で説明したとおり、「児童」とは18歳未満の者をいいます。

したがって、売春の相手方が18歳未満であることを知らなかった場合、児童買春の故意がないということになりますから、児童買春罪が成立しないことになります。もっとも、ここでいう故意には、18歳未満であることを知っていた場合だけでなく、もしかしたら18歳未満かもしれないが、それでもかまわないという場合(未必の故意といいます)も含まれます。

ですから、児童買春の故意があったかどうかは難しい判断が必要になり、その判断のために被疑者を逮捕し、被疑者の供述その他証拠を収集することは十分に考えられます。

海外で18歳未満を売春した場合も逮捕されるの?

日本人が海外で日本の法律で処罰される行為をした場合に、日本の法律の適用があるかどうかについては、刑法や個別の法律ごとに定められています。児童買春については、日本人が日本国外で犯した場合も日本法を適用する規定があります。したがって、海外で18歳未満を買春した場合でも、逮捕される可能性はあります。

18歳以上であれば売春しても違法ではないのか?

売春防止法という法律で、「何人も、売春をし、又はその相手方となってはならない。」と定められています。

したがって、売春の相手方が18歳以上であったとしても、売春防止法には違反することになり、その意味では違法と言えます。もっとも、売春防止法で刑罰が定められているのは、公衆の目に触れるような方法による売春の勧誘、売春の周旋などで、個人間の単純な売春そのものを処罰する規定はありません。

ですから、18歳以上の場合は、売春は違法であるが罰則はないということになります。

18歳未満でも売春ではなく単純に性行為をした場合は合法なの?

18歳未満の児童に対し、対償を渡したり、渡す約束をしたりしないで、単純に性行為をした場合、児童買春には該当しません。また、13歳以上で合意があった場合には、強姦罪も成立しません。

しかしながら、現在ではすべての都道府県で青少年保護育成条例が制定されており、その条例の中で、表現に多少の差異はありますが、自己の性的欲求を満たす目的で青少年と性行為をすることを処罰することになっています。したがって、18歳未満の者と売春ではなく単純に性行為をした場合でも違法となる場合があります。

18歳未満と性行為はなく裸で抱き合うのも違法なのか?

上記で説明したとおり、買春とは、性交、性交類似行為、児童の性器等を触ったり、児童に事故の性器等を触らせるたりすることをいいますから、裸で抱き合うだけでは買春には当たらないと考えられます。

しかしながら、多くの自治体の青少年保護育成条例は児童買春よりも厳しい規制を設けており、性交や性交類似行為だけでなく、青少年に対するわいせつ行為を広く処罰する内容になっています。

したがって、18歳未満の者と裸で抱き合ったり、キスをしたりするだけでもわいせつ行為に該当する可能性は十分にあります。

児童買春で逮捕された場合の仕事や生活への影響

児童買春で逮捕されたら仕事はクビになるのか

児童買春で逮捕されたとしても、通常は警察が勤務先に連絡するようなことはありません。ですから、早期に身柄を釈放されれば、勤務先に児童買春で逮捕されたことを知られずにすみ、仕事を続けることができるでしょう。

児童買春の逮捕歴は他人にバレることはあるのか

もっとも、警察は被疑者を逮捕した場合などに記者発表を行っており、被疑者が公務員、教職員、医師、弁護士などである場合、報道機関により広く報道されてしまい、勤務先や不特定の第三者に知られてしまう可能性があります。

児童買春で逮捕されたら離婚理由になるのか

また、結婚をしている場合には、児童買春も不貞行為にあたりますから、離婚理由に該当することになります。

児童買春で逮捕された場合に刑を軽くすることはできるの?

示談すると刑が軽くなるのか

刑を軽くする方策としては、他の刑事事件とも共通しますが、自首や被害者との示談をすることが考えられます。いずれも、被疑者の処分を決めるうえで有利な事情と言っていいでしょう。

どちらをするにしても事前に弁護士に相談をしておくことが望ましいといえます。自首についていえば、警察に出頭してもすぐに自首を受理してくれるとは限りませんし、受理されて速やかに逮捕されてしまうと外部との連絡ができなくなるおそれもあります。

弁護士に依頼すると刑が軽くなるのか

事前に弁護士に相談し、弁護士とともに出頭すれば、自首を確実に受理してもらうことができますし、万一逮捕された場合にも即時対応することが可能です。また、示談については、児童買春の相手方は、通常、被疑者に住所や連絡先を知られたくないと考えるので、弁護士抜きでは相手方と接触ができず、交渉すら始められないという事態も珍しくありません。

児童買春で逮捕されても釈放されることはあるの?

上記で説明したとおり、逮捕から約3日の間に、さらに勾留という形で身柄拘束が続くかが決まります。勾留をするには、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由に加えて、①住居不定、②罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由、③逃亡すると疑うに足りる相当な理由、のいずれかに該当することが必要とされています。

したがって、早急に弁護士に依頼し、相手方と示談するなどの弁護活動をすることで、勾留されずに釈放される可能性もあります。

児童買春の示談相手は誰になるの?

児童は18歳未満ですから、児童を相手に示談交渉をして示談が成立したとしても、児童の親権者は示談を取り消すことができます。

そのため、当初から児童の親権者を相手方として示談交渉をするのが一般的です。児童買春の場合、児童は合意の上で買春に応じたために被害者意識がそれほど強くないのに対し、親権者は強く立腹しているなど児童と親権者との間に温度差があることが多いことに注意が必要です。

児童買春の相手は逮捕されないのか?

児童買春を規制する「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」は、児童の権利を擁護することを目的としており、児童を保護の対象と位置付けているため、児童買春の相手方となった児童を処罰する規定はありません。したがって、児童買春の相手が逮捕されることはありません。

まとめ

以上、児童買春についてご説明しました。児童買春の場合、被害者対応などご自身やご家族だけでは困難なことが多く、対応を誤ると予想に反して身柄拘束が長期化するおそれもあり、そうなると仕事など日常生活にも大きな影響があります。ご自身やご家族が児童買春で逮捕されてしまった場合には、早急に弁護士に相談することをお勧めします。