もし家族や身内が刑事事件で逮捕されたらどうすればよいのでしょうか。刑事事件で逮捕された人の多くは警察署の留置場に身柄を拘束されます。なので、逮捕された被疑者の家族や身内は、警察署の留置所で面会することになるのです。留置場での面会で注意すべきことは何か見ていきましょう。

留置場とはどのような所か?

留置場とは、簡単に言えば、犯罪を犯したと思料されている被疑者が、その身体故即される場所です。被疑者の身体拘束の場所については、留置場と拘置所と呼ばれる場所があります。留置場とは、基本的には警察署に付随して設置されている施設であり、拘置所は独立した施設です。両者の違いは、前者は警察の管轄に置かれているのに対し、後者は法務省管轄、というところです。

法律上は、基本的には拘置所に被疑者は入ることになっているのですが、実際には、90%以上の被疑者が留置場に入ることになります。これは留置場の数が拘置所に対して非常に多い数になっているためと、実際には取調べなどを警察で行うのに便利だから、という理由であるといわれています。

基本的に被疑者は数人で一部屋があてがわれ、食事も3食提供されます。運動の時間もありますが、基本的には被疑者にとって暇な時間が多いようで、被疑者は暇つぶしの差し入れを求めることが多いといえます。また風呂に入ることもできますし、お金があれば、留置場内の売店で買い物をすることも可能です。午前6時半に起床し、午後8時半に就寝準備、午後9時に就寝、と非常に規則正しい生活を強制されることになります。

また、仮に事件について否認や黙秘をしたとしてもそれによって扱いが変わってしまえば後々人権問題に発展しかねないため、被疑者の事件についての態度によって扱いが変わることはないようです(生活態度によって、留置係の警察官の態度が厳しくなったりすることはあるでしょう。)。

刑事事件で捕まった家族と留置所で面会するには

家族側としては、警察に問い合わせをすること自体は可能です。最も、警察もピンポイントでその留置場にいる被疑者の情報しか基本的には持ち合わせていません。では、警察から家族に連絡がいくのかどうか、といったことが気になる話になるでしょう。

家族が逮捕されたら必ず連絡が警察署から来るのか?

被疑者が逮捕された場合に、必ず家族への連絡が行くかといえばそうではありません。もちろん、場合によっては、被疑者が家族への連絡を希望しているような場合であれば、捜査を担当している警察官がその裁量で(ある意味気を利かせて)、家族へ連絡してくれることもありますが、これは警察官の職務や義務ではありません。

最も、被疑者には、弁護士を呼ぶ権利があります。逮捕当日であれば基本的には当番弁護士を呼ぶことができますし、当番弁護士を呼ばなかったとしても、国選弁護人が付けば、その段階で弁護士は家族と連絡を取ろうと試みます。弁護士に電話番号などが伝わった段階で確実に家族に連絡が行くことになるでしょう。

逮捕された家族とはいつでも面会できるのか?

弁護人に選任された弁護士であれば、接見交通権というものが存在するので、被疑者といつでも面会(接見と言います)することができます。基本的にはある程度深夜でも事前に警察署の留置係に連絡しておけば接見することが可能です。

逮捕された家族とはいつでも面会できるのか?

家族の方が被疑者と面会できるのは、上記の弁護士による接見の場合とは異なり、いつでも面会できる・・・というわけではありません。一般面会、という形になり、1日に1回しかこれを使って面会することはできません。このように弁護士の接見とは大きく違うことになります。

ご家族が面会できるのは平日、そして留置場によっても異なるところではあるので、詳細は各留置場に問い合わせる必要がありますが基本的には午前8時半から午後5時15分まで、また12時~13時はお昼休みのため、面会することができません。

加えて、ご家族の面会時間については15分~20分に制限されてしまうことにも留意する必要があります。また、弁護士の接見の場合とは異なり、一般面会の場合、警察官(留置係の警察官)が当該面会に立ち会うことになります。

特に親族の場合、このようにすることで、証拠の隠滅を防いだり、新たな犯罪の共謀を防いだりする効果があります。

誰が行っても面会できるのか?

一般面会、であれば基本的に被疑者がOKすれば誰でも会うことができます(恋人や友人、子供も面会することができます。最も、子供の場合、両親の片方が付き添ってくることが通常です。)。もっとも、上記したように、1日1回という制限がありますので、他の誰かがその日に面会を実施していた場合には、面会することができない、ということになります。

逮捕された家族はいつまで留置場にいるのか?

基本的に、留置場に被疑者がいるのは起訴されるまでです。このことから、1事件当たり逮捕から23日間、ということになります。 起訴後も一定期間は留置場にいることもありますが、拘置所に移送するのが通常の手続きになっています。最も、起訴された場合、多くの場合であれば、弁護人が保釈請求を行いますので、これが通れば被告人(起訴後、被疑者は被告人になります。)が保釈され、家に帰ることができる、ということになります。

接見禁止処分とは

接見禁止処分とは、証拠隠滅などの可能性が認められるとして、弁護人以外の人との面会や、文書のやり取りが禁止されます。この場合、家族は一般面会をすることはできません。したがって、接見禁止処分が付され、これが解除されていないうちについては、家族の方は弁護人になった弁護士を通じてしか勾留中の被疑者と連絡を取ることはできません。

接見禁止処分を解除することはできるのか?

接見禁止処分を解除することは弁護人を通じて行うことができます。接見禁止については、基本的に罪証隠滅のおそれがある場合や組織犯罪と検察官が考えている場合、否認している場合などにつく可能性が高い措置です。

この措置については、弁護人が、準抗告や解除の申立てをすることになります。準抗告は中々通りませんが、会える人や期間を区切った一部解除であれば認められることは少なくありません。特に家族に限っての一部解除は認められるケースが多いでしょう。

留置場の面会時の注意事項とは

時間制限

上記したように、一般面会の場合、弁護士と異なり、時間制限があります。基本的には午前8時半から午後5時15分まで、また12時~13時はお昼休みのため、面会することができません。

加えて、ご家族の面会時間については15分~20分に制限されてしまうことにも留意する必要があります。

人数制限

留置場によって運用が異なることもありますが、一般的には1回の一般面会について3人まで、とされているところが多いようです。

それ以上の人数でいっても、そもそも留置場の面会室はそれほど大きくないですから、妥当な人数といえるでしょう。なお、子供や乳児も一人に数えられる場合が多いことには注意しましょう。

取調べ中などの場合

弁護士の接見であれば、弁護人の権利、被疑者の権利である接見交通権の行使として、取調べよりも接見を優先するよう、請求することができます。

もっとも、一般面会の場合、取調べ中であれば、取調べ終了まで待たなければなりません(この場合はすぐに面会できません。)。そのため、警察署で待たされる時間が非常に長い、というのも一般面会の難点といえます。あらかじめ何時くらいに警察署に行くのかは伝えておいた方がベターでしょう(配慮してくれるとも限りませんが。)。

係員の立ち合い

上記したように弁護人の接見とは異なり、一般接見には警察官が立ち会います。証拠隠滅や犯罪の共謀を防ぐためであり、これを一般の方が拒否することはできません。

持参が必要なもの

持参すべきものは基本的には身分証だけです。写真付きである必要もありません。申込書もサインで良いので判子も不要です。なお、差し入れを行う場合には、判子を持参することが必要になります。

警察署の面会での差し入れ

逮捕された家族に差し入れする方法

差し入れには、留置場に実際に家族が持参する方法と、郵送で送る方法、弁護人に代行させる方法があります。一般の方からの差し入れの際には手紙も含めて警察のチェックが入ります。

郵送で差し入れすることはできるのか?

郵送については、留置場によっては、受け付けない場合もあるようですが、受け付けてくれるところも少なくありません。実際の運用については、各留置場に問い合わせて確認するべきです。

差し入れに制限はあるのか?

差し入れについては、衣類や本、身の回りの品などは差し入れることができます。もっとも気を付けなければならないのは例えばジャージなどを差し入れる場合、ウエストのヒモやゴムなどは抜き取らなければなりません。

被疑者の自傷、極端な話、自殺を防ぐための措置です。タバコなどの嗜好品、化粧品などは差し入れできません。現金を差し入れることは可能であり、現金を差し入れることで、留置場内の店での買い物をすることができます。

手紙については内容のチェックはありますが、差し入れることが可能です。最も、手紙の授受が禁止される場合があるので、その場合には差し入れできません。

逮捕された家族はお弁当などを買うことができるのか?

被疑者は、所持金の範囲内で、留置場内の売店で買い物をすることができます。そのお金で留置場で提供される食事ではなく弁当を買うこともできます。最も、その種類には限りがあるようです。

接見禁止の場合でも差し入れできるの?

接見禁止の目的は外部との連絡を絶つことにより、証拠隠滅や組織犯罪を防ぐことにあります。こういった観点から、接見禁止の場合には家族の方による差し入れは認められないことになります。

家族との面会を弁護士に依頼した方がいいのか?

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼するメリットとしては、弁護士であれば回数制限なく、時間の制限もなく、また警察官の立ち合いもなく、接見できることでしょう。このことにより、家族の方としては被疑者の方のリアルな心境や状況をつぶさに知ることができます。また被疑者に接見禁止が付いているような場合でも弁護人となった弁護士に伝言や差し入れを頼むことができるのですから、こういった面もメリットといえます。

弁護士に依頼するデメリット

弁護士に依頼するデメリットはほとんどありません。被疑者の方の身柄の早期解放、という意味でも、弁護人に早く弁護活動をしてもらうべきでしょう。

但し、家族の方が法律事務所を訪れる等して、弁護人を希望して選任する場合には、私選弁護、ということになり、国のお金ではなく、ある程度の出費が見込まれることには注意が必要です。これがほぼ唯一のデメリットでしょう。

弁護士費用の目安

弁護士費用は、留置場にいる段階、すなわち被疑者段階では着手金で30万円前後、成功報酬は、その成果によって異なります。

また被告人段階でも別途着手金と報酬金が必要になるので少なくとも80万円前後、場合によっては100万円は覚悟しておく必要があるでしょう。

そして、これとは別途、保釈に際しては保釈保証金の準備が必要なことにも注意が必要です。

まとめ

上記してきたように、刑事事件で家族が逮捕され、被疑者となった場合には、場合によっては面会すらできません。また、示談や損害賠償など、実際の面会以外にも、弁護方針を早く決めて早期に弁護活動をしてもらう必要があります。そういった意味では、家族の方でも早め早めに弁護士に相談し、早期の身柄開放などに向けて動き出しておく方が被疑者のためになるといえます。