性格の不一致は多くの夫婦が悩む問題でもあります。離婚を考える夫婦も少なくないでしょう。果たして性格の不一致が原因で離婚できるのか、気を付けるべきことは何か、詳しく見ていきましょう。

性格の不一致ってどんなもの?

まずは、そもそも「性格の不一致」とはどのような概念なのかについて解説します。

性格の不一致とは、ある人との相性において性格が合わない、あるいは一緒にいると苦痛に感じるほどに相性が悪いことをいいます。具体的な理由は多岐にわたりますが、総じて「性格上の相性が悪いと感じている」ことが一致しています。

性格の不一致を感じるのは夫婦間だけではなく、友人関係などでもみられることはよくあります。しかし、夫婦という元他人でありながら夫婦関係という密接な関係になった2人にとっては大きな問題となります。

性格の不一致は離婚理由の第1位!

「性格の不一致で離婚した」という話を耳にしたことがある人も多いのではないかと思います。実は、裁判所の婚姻関係事件数では、離婚の申し立て理由が「性格が合わない」なのが、男女とも1位なのです。男女とも半数以上、特に男性側が女性に対して性格の不一致を感じて離婚したという事例が多いようです。

法律は性格の不一致を離婚理由として認めていない!?

前述の通り、性格の不一致は離婚原因の第1位を占めるほどに多いです。しかし、実は法律では性格の不一致を離婚理由として法的に認めていないのです。それなのに、離婚理由の第1位であるということに違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。

法的に認められていないといっても、離婚というものは夫婦間の合意があれば問題ありませんから、離婚届を役所に提出すれば離婚は成立します。また、「離婚調停」においてもその理由は問われず、合意に至れば離婚が成立します。

問題なのは「裁判離婚」の場合です。離婚訴訟は、法定離婚事由がなければ認められないのですが、性格の不一致はそれに含まれていません。そのため、性格の不一致を理由に離婚訴訟を起こすことはできないのです。

結局、性格の不一致が原因で離婚はできるの?

法的には「性格の不一致による離婚」は認められていないことにはなっていますが、それはあくまでも「離婚訴訟を起こす法定事由にはならない」ということです。つまり、裁判が関係しない離婚、要するに「協議離婚」や「調停離婚」であれば、性格の不一致を理由として離婚することは可能となります。

ただし、協議離婚にしろ調停離婚にしろ、離婚に至るには「夫婦間の合意」が必要不可欠です。仮に性格の不一致が明らかであっても、夫婦どちらかが離婚に合意しない場合、裁判を起こさないと離婚することはできません。その場合、法的離婚事由として、以下のいずれかの理由が必要となります。

  • ・不貞行為(浮気)
  • ・悪意の遺棄(理由なく同居を拒む、生活費を渡さないなど)
  • ・3年以上の生死不明
  • ・回復の見込みのない強度の精神病
  • ・その他婚姻を継続しがたい重大な事由(暴力、浪費、服役など)

性格の不一致が原因で離婚したら、どちらが有責になるの?

離婚する際に重要な事柄の1つが「夫婦のどちらが有責になるのか?」ということでしょう。例えば浮気を理由とした離婚の場合、浮気行為をした側が有責となるのが一般的です。

性格の不一致による離婚の場合、有責を判断する不法行為が存在しなければ、どちらか一方を有責であると判断することは難しいです。ただし、性格の不一致を理由として浮気した場合など、性格の不一致を原因として不法行為が行われている場合には、その側が有責だと判断されます。

性格の不一致が原因で離婚した場合に慰謝料請求できるの?

支払いが認められるかどうかは別として、慰謝料を請求すること自体は可能です。ただし前述の通り、性格の不一致による離婚は夫婦双方に有責性が認められないため、性格の不一致だけを理由に慰謝料支払いを認めさせることはできません。

しかしながら、性格の不一致による離婚で慰謝料が支払われたケースは珍しくありません。これは、夫婦の一方が強く離婚を望んでいて、慰謝料を支払うことで離婚問題を決着したい場合によく見られます。この場合、後々の体裁を考えて「解決金」など、慰謝料以外の名目で支払われることが多いです。

性格の不一致による離婚の場合でも、相手側に責任があると考える人も少なくありません。そのため、相手から慰謝料請求される可能性もあることは念頭に置く必要があります。

相手が離婚に応じない場合はどうすればいいの?

夫婦の一方が性格の不一致を感じて離婚したいと考えても、もう一方が離婚を希望しないというケースは珍しくありません。この場合、おそらく協議離婚の成立は難しいでしょう。

その場合、まずは「調停離婚」に入ります。第三者が介入することで相手も離婚に納得する可能性があるのです。また、調停離婚は法定離婚事由を必要としませんから、性格の不一致でも離婚できます。

調停離婚で離婚が成立しなかった場合は「裁判離婚」のための離婚訴訟を起こすしかありません。しかし、離婚訴訟は法定離婚事由が必要であり、性格の不一致は法定離婚事由にはなりません。婚姻関係が破綻していると判断されれば訴訟を起こせる可能性がありますが、その判断には専門的な判断も必要となります。

まとめ

性格の不一致を感じたまま夫婦関係を継続することは苦痛に感じることもあるでしょう。離婚は最終的に裁判離婚に発展する可能性もありますが、性格の不一致だけでは訴訟を起こせません。どうしても離婚したいのであれば、専門家である弁護士の力を借りることも必要となるでしょう。

一口に弁護士といっても、弁護士ごとに得手不得手があります。スムーズに離婚を成立させたいのであれば、離婚問題に強い弁護士の力を借りることをおすすめします。